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【まもなく閉館】名古屋ボストン美術館 「ハピネス 〜明日の幸せを求めて」

こんにちは、パル子(@parucock)です。

今日は、10月8日(月)に閉館してしまうという「名古屋ボストン美術館」に行って来ました。
名古屋ボストン美術館は、その名の通り、米国のボストン美術館と提携を結んでいましたが、2016年に「2019年で契約を終了し、契約の更新を行わない」ことを決定しました。
www.nagoya-boston.or.jp


そんな名古屋ボストン美術館の最終展が、「ハピネス 〜明日の幸せを求めて」になります。
www.nagoya-boston.or.jp

では早速、ハピネスの感想や見どころなどを紹介していきたいと思います。





最終展「ハピネス」に行ってきたよ

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カラフルでかわいい。

今日は雨でしたが、金山からボストン美術館への通路には屋根があるので、濡れずに館内へ入ることができます。

私が在学中の大学は、ボストン美術館の「学校法人賛助会制度」の対象校であり、学生証を提示するだけで無料で入場できます。
本当にこの制度には助けられてきたなぁ。卒業した高校もこの制度の対象校で、気になる展示が開催される度にボストン美術館に足を運んできました。

周りを見てもそうなのですが、美術館や芸術に興味のある学生はそうそういません。でも、無料で有名な画家の作品を見れたり、滅多に見られない作品を見ることができたりするのってすごくないですか? ゲームやテレビをする時間があるなら、たまにはその時間に絵画見ましょう!是非!

と少し話が逸れてしまいましたが、全体の感想を述べていきたいと思います。


「ハピネス〜明日の幸せを求めて」の感想

雨の日、しかも平日。なのにどんどん増える人、人、人!!!未だかつてこんなに混んでいる名古屋ボストン美術館を見たことがない、と思う私です。しかも来場者の年代もさまざま(やっぱりご年配の方は多いけれど)。皆さんの「閉館前に一回は観に行っておこう!」という強い意思を感じます。(私もそう)


この展示のテーマは、「ハピネス」そのもので、それぞれの美術における「幸せ」が展示されています。

  1. 愛から生まれる幸せ(東西美術にみる幸せ)
  2. 日本美術にみる幸せ
  3. ことほぎの美術
  4. アメリカ美術にみる幸せ
  5. 現代アートにみる幸せの表現

大体こんな感じで5つに分類されていました。

私は、ミュシャルノワール、モネ、マネ、ゴッホゴーギャンなどなど、(多分)西洋芸術(であると思われるもの)の展示は何回も繰り返し観てきたのですが、あんまり東洋芸術って観たことなくない!?と気付きました。

今回の展示では日本の屏風や掛軸、中国の水墨画やインドの神様の像などなど盛り沢山で、新鮮でした。こんな幅広いジャンルの作品を、しかも「幸せ」というテーマで統一された作品たちを、一度に見れる美術展ってあまりないですよね。


ということで、5章それぞれの見どころを紹介していきたいと思います。


第1章 東西芸術にみる幸せ

ウィリアム・サージェント・ケンドル「批評家たち」
The Critics | Museum of Fine Arts, Boston(公式サイト)
寄り添う親子の絵。

ピエール=オーギュスト・ルノワールガンジー島の海辺の子どもたち」
Children on the Seashore, Guernsey | Museum of Fine Arts, Boston(公式サイト)
ルノワール。多分私は印象派の絵が好きです。この柔らかいタッチがとても綺麗。ずっと見ていられると思います。

タイトルにもあったとおり、このコーナーでは、家族愛や兄弟愛、アダムとイヴなど「愛することから生まれる幸せ」にフォーカスした作品が多かったです。喜多川歌麿の作品も3店くらい展示されていました。


第2章 日本芸術にみる幸せ

江戸時代に描かれた、無款(菱川派)「江戸四季風俗図巻」や、曾我蕭白琴棋書画図(きんきしょがず)」などが展示されています。
江戸四季風俗絵巻を最前列で見るためには並ぶ必要があり、5分強並んでじっくりと見ることができました。後方から見るのは自由なのですが、なかなか見づらいので、是非並んで見て頂きたいです。四季のイベント(正月やお花見)の様子や遊女と客の姿なんかも見られます。こういう日本の絵巻の人間はちまっとしていて可愛いし、着物の色が繊細で美しく、なんだか微笑ましく感じます。

勝川春章「春遊柳蔭図屏風」
Scenes of Amusement in Spring and Summer | Museum of Fine Arts, Boston(公式サイト)
とにかく長い屏風。日本の絵は、というと語弊がありますが、山や草木や桜等の自然の表現がひときわ繊細で綺麗だと思います。
あと、気になったけど、こういう図巻みたいな屏風みたいなものを書くのって世界的には珍しかったりするのかしら……。そういえば、中国や日本ぐらいしか長い絵画のイメージがない。


第3章 ことほぎの美術

ことほぎは「寿ぎ」とも「言祝ぎ」とも書けますね。どちらにせよ、「お祝いする」という意味合いが強いです。
ここの章では、亀や鶴、松竹梅、七福神などなどラッキーモチーフが展示されています。
日本の打掛や四身振袖の繊細な刺繍に目を奪われました。
また、七福神の展示に添えられていた回文が面白いと思ったので紹介します。

長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな
(なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな)

反対側から読んで、思わずおお!と言ってしまいました。縁起が良い回文として、七福神の絵によく添えられるそうです。


第4章 アメリカ美術にみる幸せ

画像は見つけられなかったのですが、マイケル・メイザーの「四季」という作品が好きでした。四季における色のイメージは、日本と共通しているなと感じました。
この章のみⅠ・Ⅱに分かれており、Ⅱでは、ボストンを中心としたニューイングランド地方で見られた「超絶主義」に影響を受けたアーティストの作品が展示されていました。彼らの中には東洋思想が説く幸せのあり方に惹かれるものも多かったのだとか。

「踊るシヴァ神」の展示がありました。シヴァ神といえば、入口でもシヴァ神を推していたので、記念撮影しておきました。

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これです。左のを背負ってシヴァ神のポーズで写真を撮ってもらう勇気は私にはなかったです(笑)

こんな感じで、東洋の作品のコレクションが展示されていました。


第5章 現代アートで幸せの表現

最終章です。章の紹介の言葉が印象的でした。

最後にお伝えしたいのは、「幸せ」について考え過ぎず、「幸せ」を感じること。

多様化する価値観のなかで、幸せのかたちや色は人さまざま。考え(過ぎ)るな感じろ!というストレートなメッセージです。

この章での見どころはやっぱりジム・ダインの作品かな、と思います。ジム・ダインのハートの作品のみが集められていました。これがとってもカラフルで分かりやすく、キャッチーで素敵でした。彼の作品展が何処かで開催されたら、是非行きたいと思います。

参考
www.nagoya-boston.or.jp



まとめ

私はやっぱり美術館が好きです。静かだし、ホッとする。好きだなあと思ったり、何かを感じたり、新しい発見があったり、刺激を貰える。作品のことなんて何もわからないけど、それでいいんだと思います。

そして、私が学生の頃から通っていた名古屋ボストン美術館が閉館するということは、そういう場所がひとつなくなるということ。ちょっぴりさみしいですね。

でもこれからも、芸術作品を見るのは好きだし、気になる展示があれば積極的に各地に出かけていくと思います。そんなきっかけみたいなものをくれた名古屋ボストン美術館には本当に感謝しています。
いつか本国の、本物のボストン美術館にも行ってみたいものです。


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ありがとう名古屋ボストン美術館
おわり。